【プライスカード⑤】見込み客と顧客の失客機会を2回とも阻止する。
2022/08/28
皆さんこんにちは。
パソコンショップPC-Bohの店員(まんが集客デザイナー)の島良一です。
このシリーズ、もう、第5回を迎えました。
これまでのお話→ プライスカードによる失客の可能性を考える ① ② ③ ④
【立てた仮説】
①パソコンが壊れた等の「困って」来た人で必要に迫られて買わなければならない人や③買いたいのだけど、何を買ってよいか分からず、お店に来た人には、現状のプライスカードではスタッフに話しかけられず、失客している可能性があります。
このアルファベットや数字の羅列の意味、わからないと疎外感あります。なんとなく、知ってて当然でしょ?みたいな雰囲気が出てます。
そこで、このプライスカードが
- 優しくウェルカムな雰囲気を出す
- お客さん自身が何を基準にパソコンを選んでいるのか明確化する
- スタッフに質問をしやすい表記にする
この3点をプライスカードで表現することにより、パソコンを買う人が増えるのではないか、という仮説を立てます。
計画的に売上を生み出すためのプライスカード
たかが、プライスカード。されどプライスカードです。お客さんがこのプライスカードを見て、購買行動をするわけです。
買うという行動をしてもらうためには、「感性」に働きかけることをしなければならない。
つまり、感性に響くものがなければ、買ってもらえない、そう学びました。
ですから、されど…です。
見た目に格好良いプライスカードが出来て「わーい!」という自己満足な世界ではなく、人の感性に語りかけ、計画的に売上を生み出す。ここが勝負時です。
第1回のタイトルが「プライスカードによる失客を考える」です。まさに同義です。
前回の動画を見ていただければわかるように、プライスカードはExcelで作成。プルダウン型にして他のスタッフも使いやすいように作成しました。
もうひとつの失客
さて、以上である程度、プライスカードの失客を防ぐためのデザインは一旦、完成しこれから効果測定に入りますが、実はもうひとつの失客についての対策を同時に思いつきました。
店長からも「これはいいね! さすが前日、新年会で肉を食べただけはある!」と太鼓判を押されたので、少しの間だけ調子に乗らせて下さい(笑)。
顧客情報を得る
顧客情報が収益の基本というのが、商売の基本的な考え方です。顧客の数が売上を決定します。不特定多数ではなく、特定多数です。
通常ポイントカードなどは「顧客の囲い込み」といいますが、これは囲い込まないと逃げるという前提の考え方です。
PC-Bohの場合は放牧ということで、囲い込むことではなく、お客さんとつながりを持ち、大切にして一生のお付き合いをして行くために顧客情報を得ます。
顧客情報を得ることが、ユニバーサル的に難しい現実
修理のお客さんは、いったんコンピュータをお預かりするので、自然な形で顧客情報が得れます。
しかし、中古にしろ、新品にしろ、コンピュータを新規で買う場合、なかなか顧客情報を得れません。
たとえば店長は「面白い情報を送りますので、住所とか書いてもらえますか?」といえますが、時間がなく忙しいときがほとんどなので、話ができず書いてもらえなかたり、他のスタッフの場合は顧客情報を得ることを深くまで意識してないので(ある意味目の前の仕事に集中しているため)、かなり顧客として失客しているのが現状です。
店長も、スタッフもだれでも顧客情報が自然に得れる方法を考えていました。
プライス・スペックカード&保証書一体型
顧客の失客を防ぐデザイン
まず、デザインを見て下さい。
A4の半分の下は、商品保証書にしました。
プライスカードに書く項目と、保証書に書く項目が重複することに気がついたのです。
これは一緒にできないか…と。
実は今まで、購入後の方に保証書を添付していたのですが、例えば30日の保証書がなくても、スタッフがお客さんの購入を記憶で覚えていたので、うまく保証は出来てました。
つまり状況によって保証書を出せたり、出せなかったりだったのですね。
そこに付け加えて、個人情報も頂いたり、頂かなかったりと、曖昧なこともプラスされ…いわゆるこれが顧客の失客です。
不親切なプライスカードは見込み客の失客、保証書の発行ができないから顧客情報を得れず顧客に出来ない、ダブルで失客してしまったのです。
うちのお店で買われた方は顧客にして、しっかりフォローしたい。
コンピュータの購入は出会う機会で、そこからお店と顧客のお付き合いが始まっていき、新たな価値を提案し、人と人とを結びつけるプラットフォームにしていくことが目標なので、やはり顧客情報を得るというお付き合いの入口は大切です。
Excelとしての機能的な使い心地
今まで保証書を作る場合は、購入があり、お会計を済ませたあとに、アナログ的にExcel表に入力し、プリントアウトして手渡すというやり方でした。
今回のプライス・スペックカード&保証書一体型の場合、A4上半分のプライス・スペックカードを入力した段階で、自動的に下半分の保証書の項目が埋まります。
もちろん入力も、プルダウンメニューで選択入力できますし、自由な文章も入るような設定にしました(よくメニューリスト以外の項目をいれようとすると、「警告」とか出て入れられない場合があるので、その設定を解除)。
その他、普段から入力する店長やスタッフがかゆいところに手が届き、ストレスが少なく作業できるようにカスタマイズしました。まさにこの仕様も、使う人にフォーカスしています。
たとえば、インチの部分は数字を入れるだけで、インチという文字は自動で出ます。
付属品は記入すると、下段の保証書に「◯」と一緒に表示されるなど。
あとは、下半分の保証書部分は、薄い黄色のバックのところのみ入力すればいいので明確です。
日付に関しては、渡す時に、手書きです。(つまりお買上げのときは日付を書くだけでOKになりました)
そして、最後にお客さんに渡し、顧客情報を記入していただき、コピーしてひかえはコチラで保管します。
つまり
- 保証書の出力がいまよりずっと楽。
- 顧客情報のいただき方が今よりずっと自然。
これはすごい。我ながら大発明です。自画自賛です。ラーメンたべていいですか?(笑)
実際の画像
イマイチ、ピンと来ない方のために画像を用意しました。こんな感じです。
で、裏にすると、こんな感じになります。
広げると…
購入していだいたら、すぐにホルダーからこれを抜き取って、レジに持っていきます。
この場合、製造番号たまたま書いていてませんが、基本は書いてあります。なのでこちらの記入は保証期間の日付のみになります。
効果測定
自分がお店にいるときに、何名かこのプライスカードを見て会話する人をみました。
「おかしいよなー、値段がこっちのがたかいのに、画像加工には向いてないんだって。どういうこと?」
と、お客さんが二人で喋りながら。そこからスタッフへ声をかけていました。計画どおりです。
もし、以前の
コチラのカードなら、疑問すらわかなく「うーん、何を買って良いのかわからないから、一度ネットとかで調べてくるか」
となるかもしれません。
うちは価格競争はしておりません。その後のサービスやお客様への価値づくりに重点を置いてますので、なおさら、ネットで無機質に安価で販売している商品をみつけ、「あっこちのが安いからここで買おう」となった場合、買ったお店から、その後のアフターフォローも繋がりもなく、「所詮、中古パソコンは安かろう悪かろうなんだなー」で、難民になってしまう可能性もあるのです。
いろんな意味で、怖いです。
効果測定は今後も継続していきますが、
- 店内のパソコン販売の回転が早くなった。
- 毎週の顧客リストが増えた。
- 接客時の質問が多くなった。
となってくれば成功です。今後も報告します。
抽象化(メタ認知)による総括
この部分がもっとも重要かもしれません。
抽象化は最近学んだことです。
この事象をいかに抽象化(ベタによる実践から視線をあげて俯瞰からメタ認知)し、他の方へ伝えられるか、挑戦してみます。
1.見込み客の失客を防ぐ
- POPによる商品の選び方の軸を提供する。(今まで持ってなかった軸・視点の提案)
- それにより、お客さんから気軽に質問を引き出せるようにすること。
- それにより、何も言わずに帰るということがないような、見込み客の失客を防ぐ。
2.顧客の失客を防ぐ
- 忙しいスタッフが簡単に使えるシステムをつくる。
- 顧客情報を自然に得やすいシステムやデザインにする。
- それにより、顧客情報を得るためのスタッフの作業量を減らし、心理的に軽くし、失客を防ぐ。
以上です。どうでしょう、応用できそうでしょうか?
またちょくちょく更新して行きます。最後までありがとうございました。
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